小型船舶の相続手続きについて|手続きの流れと必要書類
手続きの流れと必要書類
「遠くの港町に住んでいた父が亡くなり、遺品を整理していたら、船に関する書類が見つかった。名義変更をするにあたって、どのような書類を揃えればよいでしょうか?」
亡くなられたお父様が、船に携わる仕事をされていたり、あるいは趣味で船を持っていたりと故人の財産から船(プレジャーボートや水上バイクなど)が見つかることもあるかと思います。
また、個人で所有されている船の多くが小型船舶(総トン数20トン未満の船舶)にあたるため、ここでは、小型船舶の名義変更にしぼって、全体的な流れと実際に手続きをする際に必要となる書類についてわかりやすく解説していきます。
※大型船舶(総トン数20トン以上の船舶)や漁船をお持ちの場合は、他の記事で説明いたします(現在準備中です)。
1.小型船舶の相続手続きとは
船舶の名義を、亡くなった方から相続する人の名義に変更する手続きが必要となります。
(所有者の名義を変えることを正確には、移転登録といいます)
戸籍謄本などの必要書類を揃え、移転登録申請書とあわせて、船の保管場所を管轄する日本小型船舶検査機構(JCI)に提出します。
管轄の日本小型船舶検査機構はこちら
※ご自身で手続きをされる場合には、直接日本小型船舶検査機構(JCI)支部にお持ちいただくか、郵送で提出してください。
2.実際の手続きの流れ
実際の手続きでは、大きく以下の流れで進んでいきます。
① 相続人の調査・特定
戸籍謄本を収集して相続人を特定します。
② 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
相続人全員で話し合い、船舶をどなたが引き継ぐかを決めます。
その内容を書面にまとめ、相続人全員が署名してハンコ(実印)を押します。
③ 移転登録(名義変更)の申請
船舶を取得した方が、必要書類をJCIに提出します。
3.船舶の名義変更に必要な書類
- 戸籍謄本一式
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名と実印の押印があるもの)
- 相続人全員の印鑑登録証明書
- 船舶検査証書
- 船舶検査手帳
※必要な戸籍の範囲は、相続関係によって異なりますので、他の記事で説明いたします(現在準備中です)。
なお、以下のような場合などには必要書類が変わりますので、注意が必要です。
ケース1:遺言書がある場合
- 戸籍謄本:亡くなった方の死亡記載の除籍 と 船舶を引き継ぐ方の戸籍 のみご準備ください
- 遺産分割協議書:代わりに「遺言書」を提出します。
- 印鑑登録証明書:船舶を引き継がない方のものは不要です。
ケース2:家庭裁判所に調停を申し立てた場合
- 遺産分割協議書:代わりに「調停調書」または「審判書」を提出します。
- 印鑑登録証明書:船舶を引き継がない方のものは不要です。
ケース3:家庭裁判所で相続放棄した方がいる場合
- 上記の書類に加えて、家庭裁判所が発行した「相続放棄申述受理証明書」が必要となります。
- ※相続放棄された方は、遺産分割協議書への署名捺印や印鑑登録証明書のご準備は不要です。
4.手続きにかかる費用
移転登録の手数料として、2,950円かかります。
また、戸籍謄本や印鑑登録証明書の発行手数料も必要となります。市町村ごとに費用が異なり、どの書類も基本的には数百円台で取得できますが、複数通必要となるため、合計で数千円は見込んでおくとよいでしょう。
5.まとめ
この記事では、船舶の相続手続きの流れと必要書類を中心に解説しました。
ただでさえ相続手続きは慣れないものであり、さらに船舶の手続きとなれば、一から情報を集めて行うのはかなりの労力が必要となります。
また、相続人の中に未成年者がいる場合や、海外在住の相続人がいる場合など、状況によって必要書類が変わりますので、お困りの際はお早めに船舶相続の専門家に相談されるとよいでしょう。
当事務所でも船舶の相続手続きをサポートしております。
ご自身での手続きが難しいと感じたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
